たむランボー怒りの脱出

愛の世紀のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

愛の世紀(2001年製作の映画)
3.5
話が全然分からない……。DVDに付属している蓮實重彦のテキストを読むと「ゴダールは主人公にとって運命的な女性の顔をはっきりと写していない」とあるが、個人的には女性だけでなく全部の登場人物の顔が覚えられない。画面に顔が出てきても毎度毎度「これ誰?」状態。どの場面に出てきた誰なのか、一切覚えられないまま98分の映画を見終えてしまう。でも記憶についての言及が度重なる映画でもある。この徹底的な覚えられなさの秘密は何なのか、トリッキーな編集や複雑な音声設計はいつもに比してむしろ控えめであるはずにも関わらず。
カラーパートで写るヘリコプターの信じがたい色彩は特筆しておきたい。アレックス・コックス『レポマン』の光る車体を思わせる青色。