たむらまさあきさんの映画レビュー・感想・評価

たむらまさあき

たむらまさあき

★付けてるのは日々の記録、付けてないのは過去に観た映画の記録です。ベストムービーは順不同。
プロフィール画像は小津安二郎『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』より「おどけた父親」です。

奇跡の海(1996年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

善人の映画。善人であることについて。
善人は反省しない。自分の行動について疑問を持たずに真っ直ぐであり続ける。
それゆえに善人は人を苦しめるし、壊れやすい。

この映画においては登場人物の全員が善人で
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バッド・バイオロジー 狂ったヤツラども(2008年製作の映画)

4.0

吹替で観るとバカバカしさが増して良い。
開巻一発目の台詞が「あたしにはクリトリスが7つある」という他を寄せ付けない身も蓋もなさ。

全シーンが出オチと言っても過言ではないが、それはそれでスゴいことでも
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人喰族(1984年製作の映画)

4.0

ルチオ・フルチの映画で聴いたことのある音楽が使い回されていたな。多分。

ちんちん切られても生き延びた男が大健闘ののちに一番派手に殺される。
普通、ちんちん切られた男は即死するのが定番の流れなのだが、
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

3.7

シャルロット・ゲンズブールがデフォーの頭どついてから格段に面白くなった。

スペースインベーダー(1986年製作の映画)

3.3

中原昌也が『ソドムの映画市』のなかでトビー・フーパー作品の「ディスコ性」を指摘していたけど、この映画の宇宙船が本当にディスコっぽくて笑ってしまった。

愛、アムール(2012年製作の映画)

4.0

問題のシーン。
一見穏やかに昔語りをするジャン=ルイ・トランティニャンが言葉を紡ぐさいの、隠しきれない必死さに危ういものを感じ取った観客は多いのではないか。

ルチオ・フルチの 新デモンズ(1990年製作の映画)

2.0

驚異的なまでの脈絡の無さ。

正直、脈絡の無さという共通点で言えば後期ゴダールと大差ないと思うんだが、フルチが完全に無視されてゴダールが評価されているのが映画界の不条理。

でもゴダールと比べるまでも
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

「Burning Down the House」における最高の盛り上がりの最中、ふと冒頭のラジカセ一台を思い返す。

エロスは甘き香り(1973年製作の映画)

4.0

樋口康雄の音楽が超かっこいい。

外の犬小屋燃えてるのに知らんぷりとか、ヒモが土産に豚の頭(血まみれ)持って帰ってくるのとか、頭のおかしいシーンが多い。

ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦(1972年製作の映画)

3.1

マックイーン主演にもかかわらずこんなに地味で良いのかというくらい地味なのだが、ペキンパーのモンタージュがその地味さと拮抗していて、結果として異様な映画になっている。

マックイーンの脳裡をよぎる映像が
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白いリボン(2009年製作の映画)

4.0

多分、この村のなかでは身の毛もよだつようなことが起こっているはずなのだが、それを確信に導く決定的な光景だけは映画の中に無い。その巧妙さ。

「疑いが確信に変わった」という文言はよく目にするが、それは結
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スケバンマフィア 肉刑(リンチ)(1980年製作の映画)

3.7

池田敏春のデビュー作。

ジェットコースターのレール上(しかもトンネル内)で強姦するというシーンがあって、その見た目の異様さだけでもこの映画を傑作に分類する理由として十分過ぎるくらい。
しかも、トンネ
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私生活のない女(1984年製作の映画)

3.0

ズラウスキーの映画を観ていて思い浮かべるのはどうしてか神代辰己の作風について。
ズラウスキーってどこか神代の映画を限りなく躁のテンションにした感じしませんか。

人物が特に意味もなく動き回る演出を取っ
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ズームイン 暴行団地(1980年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

昨年の映画納めはこれでした。

ロマンポルノでいかにジャーロをやるか。
シナリオの桂千穂はこの映画以前に『HOUSE』や『女王蜂』といった、日本人離れした恐怖・怪奇表現をやっている確信犯だが、この『ズ
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セックスハンター 性狩人(1980年製作の映画)

3.7

『死霊の罠』が傑作過ぎたので、その勢いでもう一本観た池田敏春作品。

ロマンポルノの映画を純粋に「エロ」そのものの良さ、いかにエロいかという基準で評価したことは僕自身案外無かった気がする。
しかしこの
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死霊の罠(1988年製作の映画)

4.7

池田敏春ってやっぱり凄い作家なのだと今頃になって気付く。
『天使のはらわた 赤い淫画』『人魚伝説』と、これまでに観たのはいずれも大傑作であるが、この『死霊の罠』も言わずもがな。

ジョン・カーペンター
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幽霊屋敷の蛇淫(1964年製作の映画)

3.1

バーバラ・スティールの顔は本当に死人のよう。死相とかそういう次元ではなく、もはや「死」そのものが刻印されているかのような。
不気味だと認識した刹那、その感覚が瞬時に「美しい」という認識へと移行する。
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肉の蝋人形(1997年製作の映画)

4.0

一部の映画ファンからすればこれはジョルジオ・フェローニの『生血を吸う女』を想起せざるを得ないでしょ。
蝋人形を扱ったマカロニホラーという点において。

死体が機械仕掛けで動くというのも、一部の人間のフ
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DO YOU LIKE HITCHCOOK? ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?(2005年製作の映画)

3.8

アルジェント的な外連味や残酷な意匠は控えめだが、これは佳作の部類に入ると思う。
脚本がフランコ・フェリーニ、音楽はピノ・ドナジオ。

特に良かったのは主人公の覗き大好き青年が自業自得の末に骨折して、情
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私の夜はあなたの昼より美しい(1989年製作の映画)

3.0

一つの画面の中で三回のリプレイをやっている。時間を巻き戻すことなくリプレイすること。
一つの画面の中で三つの時間軸が存在するかのような錯覚。

あと、ディスコのデイナーショー?みたいな変なセッティング
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異形未知生命体 エボミネーション(1986年製作の映画)

3.7

冒頭1分で本編の見せ場のカットをほとんどお披露目してしまっている。火曜サスペンス的な見せ方というべきなのか。

アホそうな上司の頭を切断するシーンは結構スゴイ。スプラッター映画は低予算の方がスゴイ画が
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マングラー(1995年製作の映画)

4.1

やはりトビー・フーパー映画における「装置」の見せ方はどの作品においても完璧。
この映画の装置は巨大な「しわ伸ばし機」。

機械による問答無用の暴力が圧倒的。人間が折り畳まれたりする。

あと、洗濯工場
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テロ2000年 集中治療室(1992年製作の映画)

2.0

血糊が顔にかかるショットの多さ。良いんだが、ちょっとしつこい。

人間解剖島/ドクター・ブッチャー(1981年製作の映画)

3.3

漫☆画太郎が好んで使う目玉飛び出し死体(「死~ん」)の造形はこの映画が元ネタかも。そんなわけないけど。

イタリアホラーの音楽は良いなと思うものが多くて、この映画も良い曲多いなと思いながら観ていたけど
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ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)

4.0

何でこんなにも人間としてのネジが弛んだ人ばかり出てくるのか。信じられない。だからこそカサヴェテス映画は最高。

カサヴェテスがジーナ・ローランズぶっ叩くシーンは理不尽すぎて笑けてくる。

谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座(1971年製作の映画)

3.5

ハイパーバイオレンス映画。
子供が親父のタンクローリーに轢かれたり、両親の脳ミソに汚物入れて遊んだり、宍戸錠を丸焼きにして食べたり。

「なんだなんだ」「どうしたどうした」といった、ベタな漫画において
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マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴(1990年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ロメロとアルジェントが競作したのにこんな地味な映画で良いのかと思ってしまう。

ロメロの方は多くの人が言うように退屈なのだが、唯一良かったのはペプシマンみたいな幽霊がたくさん(と言っても10人くらい)
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クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的(2016年製作の映画)

5.0

いま一番信用できる映画作家、アレックス・デ・ラ・イグレシアの最新作。

「面白い」という以外に適切な形容詞が見つからない。

ベルリン・オブ・ザ・デッド(2010年製作の映画)

3.5

間抜けな感じのDVDジャケットとは裏腹に、シリアス・リアリズム路線。

『裏窓』的なシチュエーションにおいて、ゾッとするようなショットも挟まれていたりする。
登場人物全員の顔が冴えないというのも良い。

ブレインデッド(1992年製作の映画)

5.0

速度、物理、地下から屋根へ。

この映画の面白さを文章にするには、ひとまず気持ちを落ち着かせるための準備が必要。

バタリアン2(1987年製作の映画)

3.0

緊迫感のあるシチュエーションで唐突にギャグを入れたりするのは本当に寒いので残念な気持ちになった。

ホラー好き以外の観客であれば何の問題もなく受け入れるであろう作品なのだと思う。

オペラ座の怪人(1998年製作の映画)

4.0

アルジェントの手掛ける殺人シーンは全てが正解である。
しかもこの映画、わりと泣ける話なのだ。

アルジェントの長篇でディスク化していないのはもはやこの映画と『ビッグ・ファイブ・デイ』くらいかな。

サスペリア・テルザ 最後の魔女(2007年製作の映画)

3.7

せっかく用意した魔女伝説の設定をことごとく無意味なものにしていく派手な演出。

アルジェントは論理を馬鹿にすること自体に快楽を見いだしている。

女体拷問人 グレタ(1977年製作の映画)

3.0

ラスト3分以外、本当に面白くなくて泣けてくるけどラストは最高。

音楽をテキトーなタイミングで流しテキトーにフェードアウトするあたりの雑で安易な考えも良い。

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