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草の上の昼食のあのレビュー・感想・評価

草の上の昼食(1959年製作の映画)
3.9
風が吹けば博士が発情する。おフランスは気取った国かと思いきや、そういえば自由の国だったと再認識させられる、非常に健康的な映画でした。

爺さんの笛に惑わされて欲情する人々の様子が、どことなく真夏の夜の夢を思わせ、古典的な印象を受けますが、初っ端からドストレートで「人工授精」というパワーワードをぶっ込んでくるSF顔負けの大胆さには驚かされました。

風の描写が個人的にイマイチだったので残念でしたが、その後のネネットが水辺から上がってくるところや、バイクで二人乗りするシーンは印象的でした。特にバイクに関しては、想像以上にしっかりスピードを出していたところがよかったです。普通の監督ならば、変にバイクを蛇行させたりして無駄に戯れ合せそうな気がしますが、そこは巨匠ということで、スッとやってしまうところは潔かったと思いました。
あ