走る人

哀しき獣の走る人のレビュー・感想・評価

哀しき獣(2010年製作の映画)
3.4
胸糞映画の『チェイサー』の監督ということで身構えて鑑賞。
暴力は多いが、痛々しくて見ていられないシーンはない。安心して見られる。

まず、哀しき獣っていうタイトルは非常に良い。まさにそう。こんなぴったりなタイトルもなかなかない。邦題ってだいたいへぼいのが多いが、これは原題を超えたと思う。

内容は全体的に少し分かりづらい。どこかしらでなぜ?が残る。

好きなシーンはたくさんあった。密航船で韓国に渡るシーン。短いが過酷な環境がよく伝わる。『海にかかる霧』っていう韓国映画を思い出した。

殺害相手を張り込んでいるシーンも好き。殺害のシミュレーションしているところも好き。あの感じ、ずっと見ていたい。
すごい寒そうな雰囲気も良かった。

カーチェイスは画面グラグラ。わざとグラグラさせて見づらくして、臨場感を出しているのか?
グナムとミョンがカーチェイスしているところは、延々とお互いに横から車を当て続けていて、そこはだれてしまったなと思った。

ミョンがグナムを取り逃がした後に、あー俺としたことがうかつだったって言って、ソンナムにテウォン社長を呼べって電話していたが、何だったのか?
テウォン社長はなぜキム教授を殺したやつを探していたのか?
まだあるが、疑問が残った。

もっといろいろな意味でグロさを期待してしまったのでそこまで評価は高くないが、誰かと一緒に中身について話すには楽しそうな映画ではあった。
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