蒸本整次郎

殺しのドレスの蒸本整次郎のレビュー・感想・評価

殺しのドレス(1980年製作の映画)
4.1
とりわけ面白いと感じたのは
美術館のシーンだ。

セリフが一つもない中で
登場人物たちの駆け引きを
読み解く長い場面。

言葉で語られらないので
もちろん説明は無いわけだが、
早くなるヒールの足音、
ここぞと言う時になる効果音で
キャラクターたちが
どういう気持ちなのかは
ちゃんとわかる。

台本にどう書けばあんなシーンが
できあがるのか…。

説明のしすぎが
ノイズになり
集中力を妨げられることは
よくあるが、
この作品は
観客を信じて挑戦する
お手本のような仕立てであった。