ナイトアウェイク

上海グランドのナイトアウェイクのレビュー・感想・評価

上海グランド(1996年製作の映画)
1.1
シリアスにじっくりと人間描写を見せる、オシャレな作品だと思ってた。
ジャケットがカッコイイんだもん。本当に、悪い意味で裏切られたわ…。


ネタバレ。
基本は、私自身への記録。
間違えて読む人は気を付けて。
読まなくていい、自分宛てだから。














冒頭からずっと映像が軽い、セリフが軽い、人物の声に暗黒街を感じさせる深みが無い、仕草がカス、色合いも観せ方も全部が甘い。
一言ずつを全く大事にしてないから、場面に重さも無い、効果音が雑。

イスとテーブルで戦う場面は[酔拳2かよ]と悪態付いた。昔ながらの中国映画そのもので、軽蔑すらした。

昔の中国映画が嫌いなわけじゃない。
ギャングスタ、マフィアを本筋に据えておきながら、裏社会を真剣に描こうともしてない。
半端に効きもしなさそうなマヌケな肉弾戦を盛り込んだり、ヒーロー映画みたいな場面にしてみたり。

ホイが、火事場からリクの母親を担いで登場する場面には、本当に寒気すらした。

伏線として、ムリがあり過ぎる描写も多い。

主人公二人の、のし上がる展開が早過ぎる。
なんかちょっとヤバめな揉め事の後、あっという間に取り巻きが増えて、組織の長兄になってた。不自然過ぎる。
そして、二人の決別がゴミ。

更に言うとキリが無いんだけど、いいカメラ使えよ。
音楽をちゃんと考えろよ。
セリフくらいまともに紡げよ、使う言葉を考えろよ。
画だけで説明ができるのに、余計な事をベラベラ喋り過ぎ。
笑い方一つもしっかり演出しろよ。
日本人パートくらい、日本人のコーディネーター使え。
別に裏社会を敬うつもりなんか無いけど、描く以上はその世界にリスペクトくらいは持てよ。
これ制作したヤツ等は、よく殺されなかったなと思うくらい酷い。

最後の終わり方も、制作者の無能なナルシストぶりを見せられてるようで、気持ちいいくらい気持ち悪かった。

もっと残る幕引きは思い付かないものか。
せめてこの終わり方がしっかりしていたら、2回目を観ると印象が変わったかも知れないのに。

残念。



いい部分もあった。
主人公二人の、兄弟分としての関係。
ホイの汚なさが、逆に男らしくてカッコイイ。
待つ女の顔を見せるヒロインがとても魅力的。
その年代らしい街並みが、すごくいい。

ただし、面白さは皆無の作品。

記録。