鹿江光

犬神家の一族の鹿江光のレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
3.5
≪70点≫:生れ落ちた血の因果。
名前と存在だけは知っていたこの作品。いざ観始めると、グイグイと惹かれていく展開。頭がフル回転。登場人物ひとりひとりが怪しく見え、自分自身で推理していく面白さもある。
ただ、謎解きの娯楽要素をしっかりと残しながらも、根底には「生まれてしまったばかり」に巻き込まれていく血縁の渦がある。それは切っても切れない愛情と哀情が蠢く呪いでもあり、事件の始まりと終わりを知ることで、深い血の因果を目の当たりにすることになる。
映像は決して古臭くない。むしろセンセーショナルに訴えかけてくる迫力がある。
そしてやはり、あのラバーマスクは禍々しくて良いなぁ。
鹿江光

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