shinobu

犬神家の一族のshinobuのレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
3.8
犬神家の一族は横溝正史先生の原作の面白さありきではあるんだろうけど、本作は映画でしか出来ない魅力に溢れている。

俳優の癖のある演技。圧倒的な存在感のスケキヨ。ホラー映画のような演出、音楽。

本当に面白い映画を観たなぁと今書きながらふとこんな事が頭をよぎる。

戦争で顔を負傷した元兵隊さんを、ホラー映画のような演出で見せるのは如何なものか…

金田一くんだのコナン君だの、ミステリ物は面白いんだけど、話の面白さの為にばんばん人が死ぬ。

また、007とかダイハードとかコマンドーとか何でもいいんだけど、アクション映画で名もない人がばんばん死ぬ。盛り上げのために。

そこに描かれるのは、記号的なキャラクターの死で人間の死ではない。分かっている。そういった映画は好きだし、今後も好んで観るだろう。

犬神家の一族がどうって訳じゃないんだけど、取るに足らない雑魚キャラがばんばん死ぬ映画で麻痺しなきゃいいなぁ…なんて老婆心ながら思う。
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