ピッコロ

犬神家の一族のピッコロのレビュー・感想・評価

犬神家の一族(1976年製作の映画)
5.0
恐ろしい偶然

いい映画は何度観ても最高だ。
いつ観てもその輝きが失われることはない。

金田一といえば市川崑監督、そして石坂浩二だ。どの作品も傑作だが、これと「悪魔の手毬唄」は別格だと思う。物語も複雑で濃厚な作品なため、毎回新鮮な気持ちで観ることができる。観始めたら最後、画面にくぎ付けである。この時代の色もいい。デジタルのピカピカした綺麗な絵よりこの作品のようなジメジメしてドロドロした雰囲気が好き。むしろ、こちらの画の方が美しいと思うのは気のせいだろうか。時代設定も戦後ということもあり非常に重苦しい。この世界観に酔いしれる。

いつ観てもややこしい遺言状に四苦八苦。あんな内容一回聞いただけじゃ覚えられない。トリックは特にないが、あえていうなら恐ろしい偶然がトリックだろうか。一つ、一つがくるっていたらこの悲劇は起こらなかっただろう。そして悲しい結末。結末を知ると、この事件は一体何だったのか。誰も死ななくてよかったのではないか。ただただ、切ない。
犬神家は呪われた一族。その呪いに狂わされていく。

もう、お腹一杯。
これからも観続けていきたい大好きな作品。
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