ちゃみろー

ヒストリー・オブ・バイオレンスのちゃみろーのレビュー・感想・評価

4.3
田舎町で小さなダイナーを営む男が店に押し入ってきた強盗を射殺し、英雄として報道されたことで幸福だった家庭が砂の城のように崩壊していくサスペンス映画。あんなに誠実で優しい夫が、父が、もしかして…!という心理の揺れは不倫と根本的に作用が同じで、息子がガールフレンドと交わした何気ない会話が伏線として主題を示唆している。ただ、人生は不条理だ、現代人は自分の作り出したストーリーに引き裂かれている!という恐怖の中に投げっ放しにするのではなく、怒りや憎しみ、不信を抱えながら、それでも人は人と生きていくというメッセージ性もあり、ハッピーエンドではないが、救いのある力強いラストに感動した。
2017.12.9 DVD(字幕)
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