mitakosama

ウホッホ探険隊のmitakosamaのレビュー・感想・評価

ウホッホ探険隊(1986年製作の映画)
3.6
スカパーにて。どんな話か一切知らなかったのでタイトルとの余りのギャップにビックリした。全然ウホッホでも探検隊でもない。

“干刈あがた”なる小説家の作品が原作だそうな。
十朱幸代が演じるインタビュア・ライターが、単身赴任している旦那が浮気していることを告白され悩む。
旦那が田中邦衛。モテそうな風貌じゃないがそれが却ってリアルだ。ちょっと芝居を抑えて寡黙なキャラクターなのも説得力ある。
というか十朱幸代も絶妙にオバサンなのが良いし、浮気相手も完璧な美人じゃないのが良いよ。

十朱幸代は仕事柄、野球選手(柴田恭平)や人気シンガー(陣内孝則)にインタビューされチョロくナンパされる。この口説けばなんかヤれそうな雰囲気が絶妙だ。

で、この男の舐めた態度に対する反抗心こそがこの映画の持ち味だ。
原作者が女性ということもあり、男尊女卑を糾弾する姿勢がこの映画にはある。

散々悩む十朱幸代だが、息子二人が異常なほど理解があって救われる。
ちょっとこの二人の子供はあり得ない位に良い子だ。母親の恋バナ悩み相談にちゃんとのってあげられる友達の様な存在だ。
ここが物語の一番の面白い所でもあり、正直リアリティに欠ける所でもある。
なんというか、こういう子供に育って欲しいという願望がものすごい反映されている。

とはいえ、息子らのフォローがあり母は救われて離婚に踏み切ることができる。
この憑き物が落ちた十朱幸代が、スカートからデニムのパンツに変わるんだよね。これは上手い演出。

この頃は今よりもう少し離婚のハードルが高かったのかな?そういう時代の女性達の繊細な気持ちの動きを描いた応援歌として良く出来た映画だと思う。

子供が水を飲む時の凝ったカメラアングルにも注目。
mitakosama

mitakosama