TsutomuZ

炎上のTsutomuZのレビュー・感想・評価

炎上(1958年製作の映画)
4.5
なぜ彼は「炎上」させたか?
「太陽が眩しかったから」よろしく「美しかったから」なのか?
彼は黙秘する。何も話さない。
ラストカットのありふれた死。
美しい寺はどこにでもあり、彼の犯罪も誰でもできることだった。
モノ(白黒と直線)でホモ(女性が出てくると災いがおこる)という枠組み=永遠を求めても、この世は現世。常世ではない。
諸行無常。一切皆苦。無意味で不条理。

市川崑はじめ映画スタッフは、実寸大の寺のセットをつくり燃やし、それを撮影する。一体なんの意味があるのか?
わずか数秒の「炎上」が美しい。

本当にそれだけの映画。それ以外は後付けにすぎない映画。 
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