イギリス北部に位置するスコットランド。
13世紀、イングランドの暴政に立ち向かい、祖国の為に血を流した男たちがいた。
メル・ギブソンが多額の制作費用と数千人のエキストラで作り上げた歴史スペクタクル大作で、上映時間は177分にも及ぶ。アカデミーではなんと5部門を獲った。
当時盛り上がったスコットランド独立運動にも影響を与えたとも言われている。実際に1997年の選挙では、スコットランド国民党の議席が倍増したそうだ。つまりこの作品で描かれているのは、時代を超える普遍のテーマなのだ。
称号というものなどに囚われず、民衆の自由の為に最期の瞬間まで戦い抜き、強き者に屈しなかった彼の姿に、心打たれない者などいるのであろうか。
メル・ギブソンは歴史作品に独自の解釈を加えることでよく批判を浴びる。ただ作品に罪はない。素晴らしい作品はとにかく素晴らしい作品として称賛の声を送りたい。
注目シーンは、戦闘前にメル・ギブソン演じるウィリアムがスコットランドのアイデンティティーを思い出させるシーンだ。その国で暮らす上での平和を奪われてよい人など、存在しないのだ。
映画を観たあと、主人公のモデルとなった英雄の経歴を見てほしい。史実が驚くほど劇中の姿と重なるのだ。
