tsuyoshi

ソナチネのtsuyoshiのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
5.0
「あんまり、死ぬの怖がるとな、
死にたくなっちゃうんだよ。」
北野武演じるヤクザの村川と、その仲間達による沖縄での束の間の夏休み。静かに忍び寄る終焉はまるで、村川がまるで死を渇望しているかの様に。バイオレンス、ユーモア、美しさ、悲壮感、世界観、音楽全ての調和が完璧に取れた北野武監督の最高傑作。
何度観ても素晴らしいの一言。死と生のコントラストと言えばいいのだろうか、力強い生があるからこそ死が儚く、美しい。村川達に死が近づくにつれて、段々と逞しく強くなる "生"の力。進めば進むほど、待ち受けているものは死しか無いはずなのに、これ程までにヒシヒシと生きるエネルギーが伝わるものか。夏空、白い砂浜を舞台に決して抗うことが出来ない運命を目の前にしても、エイサー、相撲、夜の花火、落とし穴、女、どれもこれも、彼らは全力で楽しんでいる。死が待ち受ける?知るかよ、ばかやろう。オールタイムベスト映画です。永遠に。
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