きゃしー

ソナチネのきゃしーのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.8
カット割、音楽、シーン展開、発想力、キャストの凄み。
予定されていたかのように調和され、非の打ち所がない。

また、一見無駄ばかりのようで、その実、どこにも無駄が見当たらない。

死と隣り合わせの命は風前の灯火で、息を吹きかけるたび消えていく。
命の重さなど微塵も感じられない描写のなかで、その刹那が浮き彫りになる。

無言のカットの威光たるや。
北野武が大杉漣を相棒と呼んだ所以がわかったような気がした。

〔以下、戯言〕
国舞亜矢が、いい意味で「馬鹿な女」だった。愛らしくも危なっかしくて、惹きつけられる。

近くで観ていたご夫婦が、人が死ぬたびに笑われていた。なんとも猟奇的な鑑賞であった。

〔覚え書き〕
クレーン、紙相撲、ジャンケン、琉球あたりの要素

「あんまり死ぬのが怖かったらな、死にたくなっちゃうんだよ」
きゃしー

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