カット割、音楽、シーン展開、発想力、キャストの凄み。
予定されていたかのように調和され、非の打ち所がない。
また、一見無駄ばかりのようで、その実、どこにも無駄が見当たらない。
死と隣り合わせの命は風前の灯火で、息を吹きかけるたび消えていく。
命の重さなど微塵も感じられない描写のなかで、その刹那が浮き彫りになる。
無言のカットの威光たるや。
北野武が大杉漣を相棒と呼んだ所以がわかったような気がした。
〔以下、戯言〕
国舞亜矢が、いい意味で「馬鹿な女」だった。愛らしくも危なっかしくて、惹きつけられる。
近くで観ていたご夫婦が、人が死ぬたびに笑われていた。なんとも猟奇的な鑑賞であった。
〔覚え書き〕
クレーン、紙相撲、ジャンケン、琉球あたりの要素
「あんまり死ぬのが怖かったらな、死にたくなっちゃうんだよ」