青山

ソナチネの青山のレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
3.9

北野映画といえば、私のイメージだとこれか最近なら「アウトレイジ」。たぶん世間的にもそうであろう、北野武監督の代表作の一つです。
10月43ナントカ(タイトル覚えれない)の沖縄パートを気に入った監督が、そのまま全編沖縄パートで作った作品とも言われています。


うん、まぁ感想はうまく書けないけど好きです。
オープニングがエグいっすね。ナポレオンフィッシュとかいう変な魚が食人族のジャケみたいに串刺しになってる画像が久石譲の不気味に美しい音楽に乗せて出てくる、このなんとも言えないヤバみ。
内容もヤバみですね。ヤクザの世界。一触即発の殺し合いは、退屈な日常と隣り合わせにある。いわばヤクザの世界のゆるふわ日常コメディですよね。

沖縄出張。絶対みんな死ぬだろってことは武映画だから最初から分かってるんだけど、そのわりにゆるい。全編にわたって嵐の前の静けさのような、それとも死の前の走馬灯のような雰囲気が漂います。
相撲したり落とし穴で遊んだり、みんなおっさんであることを除けば小学生の夏休みそのもの。人生の無意味さというか、儚さというか。
それでも、「あんまり死ぬのが怖いとな、死にたくなっちゃうんだよHAHAHA」というセリフが象徴する死というものの恐ろしい存在感。たぶんこの映画の主人公は死ですよね。深淵さんと同じで、死も正面から覗き込もうとすると、こちらも見つかってしまうものなのかもしれません。ひえー。
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