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アイズ ワイド シャットのshimakanのレビュー・感想・評価

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)
2.9
狂人スタンリー・キューブリック様の遺作。
ファーストカットから衝撃。

オーケストラのような音楽も不気味かつ仄かに漂う美しさ。全体としては〃性〃をテーマに捧げており、159分通して徹底的に描き尽くす。当時夫婦だった我らがトム・クルーズとニコール・キッドマンがW主演。珍しくあのトムがカッコよく見えない映画でもある。パーティのシークエンスは衝撃的で他国ではデジタル調整で人を追加したほど。仮面舞踏会のような場面は美しくもどこか宗教的で奇妙。この場面での衣装、演出、音楽がやけに凝っている。
映画全体として物語は掴みにくく久々に映画で頭を抱えた。最後の最後(特に例の4文字)まで訳が分からなかった。
この作品は面白いか面白くないかという問題ではなく、美しいか美しくないか。
楽しめたかと言われれば決してそうではなく、回収しきれない伏線が多数残ってたり、映画というより芸術作品でキューブリックが脳内で作った美術館に浸り込んでいるような錯覚に陥った。10年後とかに観れば評価がまた変わるかもしれないが今はこの評価が妥当であろう。
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