浅野公喜

フォー・ブラザーズ/狼たちの誓いの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.5
血の繋がらない兄弟達が育ての母親を殺されたことで復讐を試みる、(過去にアジア系男性を暴行したことであまり好意的に見れない)マーク・ウォールバーグにタイリース・ギブソン、ヒップホップグループのアウトキャストのアンドレ・3000ら主演で「ワイルド・スピードX2」のジョン・シングルトン監督のアクション。

デトロイトが舞台だけにテンプテーションズにフォー・トップス、マーヴィン・ゲイといったモータウン系のソウルミュージックが数多く使用される所からは70年代の硬派なブラックムービー的雰囲気が。猛犬に消火器をぶちかまし宙づり状態の男のロープを切って落とし尋問する序盤は勢いが有り、肌を刺すような寒さが伝わってくる夜の街中における雪で滑りながらぶつけながらのカーチェイスは有りそうでなかなか無いもので流石ワイスピの監督といった所。

しかし復讐劇&アクションにしてはバイオレンスは控えめで、やっぱり最後は兄弟全員で敵のアジトに乗り込みド派手な銃撃戦・・かと思えば小物感漂うボスと1対1の殴り合いと尻すぼみな印象。意外とコメディ要素も強めなのでそんな流れが相応しいのかもしれませんが、その割には母親だけでなく大事なキャラの一人も亡くなってしまったり内容はやや中途半端でした。

アクション要素もちょっとある下町人情物として観るのが丁度良いのかも。シリアスにならない軽快な作風は好みです。マークが乗るオールズモビル・カトラス・シュプリームが渋い!
浅野公喜

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