Miri

麗しのサブリナのMiriのレビュー・感想・評価

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)
3.6
映画のスクリーンには
魔法使いが住んでるんだ、きっと。

今年、スクリーンで『裏窓』を観て
クールビューティ グレース・ケリーの綺麗さに息を飲んだのですが

今日はオードリー。

『スクリーンの妖精』と形容される彼女

その言葉ぴったり
綺麗だけじゃなくて
そこに中性さと儚さを併せ持つ
正に・妖精

おうちのテレビで観る女優さん達ももちろん綺麗なんだけど、スクリーンで観る彼女達と言ったら もう別格
てか、なにあの細さ!ドレス着た時の鎖骨と腕の付け根の骨と肩甲骨…

やっぱ映画館はいいなぁと
実習終えて久しぶりの映画でしみじみ。

さて、『麗しのサブリナ』と言えば
映画ファンならずとも
サブリナパンツとトゥーシューズでおなじみ。

ビリー・ワイルダー監督とは知らず…

まぁしかし古さを微塵も感じさせない作品!
いたるところに名言だらけ
身の回りのもの、身につけてるものだってなにも古くない

家制度ってのが当たり前に色濃く残るアメリカの良家って部分と、身分差、女の人は手に職をって部分を除けば十分現代のどの人にも当てはまる要素も持ち合わせてるなと思いました
でも、結局今でもこういうやんごとなきおうちとか考え方はあるんだろうから古いとも言えないのかな…


今作はどうしてもサブリナを主人公として捉えたいんだけど、きっと主人公はライナス(と、いいつつみんながサブリナみたいになりたい!って思ったから支持されたとこもあるでしょう)。

家を継ぎ、事業を大きくしていくことを「自分がしたいこと」だと思い込んでる人。精神的な豊かさ?なにそれおいしいの? な人。物質的な豊かさあればおっけー、な人。
彼、少しだけ自分の人生を生きるのが難しい人ですよね。

うん、まぁある程度物質的な部分も大事だろうけど。それありきに生きてくとしんどくなってしまうだけじゃなくて、自分の気持ちにフタしたり気付いた時には取り返しのつかないことになってしまったり。

家というものを継ごうが継ぐまいが長男に期待がかかる場合、次男以下は割と鳥籠の中にいるなりに軽さも持てるとは思う(彼らには彼らの悩みや生きづらさはあるだろうけど)。だから、今作で1番人間らしさがあるのはデイヴィット笑
彼の軽さは好きですよ、男友達に最適な人!笑(彼氏と旦那さんはちょっと勘弁ね笑。優しすぎる(´・ω・`))

そんな状況で、フランスに行ったことで自分の人生を自分の手で掴むことを身につけたしなやかなサブリナに出会うことでライナスにようやく硬さがとれてきて最後はデイヴィットに背中を押されてようやく自分の人生のスタートを切る。
あぁ、なるほど授業で先生が言いたかったのはこういうことか、と納得。ライナスはオルタナティブストーリーの住人にようやくなれたのね、よかった


ライナスとサブリナを軸にしながら
色んな人が色んな価値観で生きてる人間模様がきちんと描かれてて秀逸な一本でした
さすが、ビリー・ワイルダー!


『大人になったつもりだったのに
本当は違ったんだわ』

失敗したり泣いたりするけど
成長してると信じて。
でも最後はなんとか
笑って自分らしく終わらせたいものです…
Miri

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