ブタブタ

火の鳥のブタブタのレビュー・感想・評価

火の鳥(1978年製作の映画)
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このポスターが素晴らしいんですよね。
実写で撮られたモノクロの画面に光を放ちながら舞う手塚治虫・画の火の鳥。
「三次元のモノクロ」と「二次元の絵」異なる次元の物が写真(及び絵)って同次元上に存在する異様さが横尾忠則の絵画にこういった別の次元が同じ世界で出会うみたいな作品が多い。
なのでこのポスターデザインはもしかして横尾忠則によるものなのだろうか?
今迄一切ソフト化されず幻の映画だったのが
公開から43年を経て遂にBluRay化されるらしい。
ただ配信では普通に見られる。
実写とアニメの中途半端なコラボなど長年トンデモ酷評映画だった本作。
確かに豪華オールスターキャストによる漫画実写化コスプレ映画の域は出ない。
ただ43年前の作品なのに最新の漫画実写化邦画と大差ないって今の漫画実写映画化専門監督(えーべん、とか)達はコレ見て反省した方がいい。
アニメ監修は手塚治虫(◎C͜ ◎-)(←顔文字があるのが凄い!)
完成した映画を見て激怒したという。
まあ無理もないと思います先生(◎C͜ ◎-)
手塚治虫の『火の鳥』を映像化出来る予算・スタッフを集められるのはこの世にディズニーしかないと思う。
ピンク・レディーのUFOを踊るアニメの狼。
猿田彦のデカい鼻特殊メイクはよくコレでOKが出たな…のレベル。
しかしただ1箇所見るべきシーンがあった。
それは【鉄腕アトム登場シーン】
あの「鼻のでかいキャラクター」はスターシステムである同一キャラクターって意味もあるらしく「猿田彦」「我王丸」「御茶ノ水博士」は手塚漫画作品や時空間を超えた同じ人間(だと思う)
実質的主人公である尾美としのり演じる少年ナギと若山富三郎の猿田彦、この二人は御茶ノ水博士と鉄腕アトムの前世かパラレルワールドであり、制作が予定されていた全編アニメの続編『宇宙編』では猿田彦の生まれ変わった姿である御茶ノ水博士も登場との事でやっぱり鉄腕アトムも話しに絡んでくる予定だったらしい。
ナギが馬に蹴られて吹っ飛ぶと何故かアニメの鉄腕アトムになり空中で一回転して戻ってくる。
単なるサービスで入れられたシーンだって意見もあるけどコレは手塚漫画世界において「同一キャラクター」であるナギとアトムを高次元の存在である火の鳥(それはつまり映画を見てる観客も含む)から見るとこう見える、という事なのでは。
幻の続編『宇宙編』では猿田彦とナギの来世である御茶ノ水博士とアトムが火の鳥という「神」に挑むストーリーが展開されていた?

それから飛浩隆のSF小説『零號琴』がこの映画版『火の鳥』と同じ(?)事をやってて、というか飛浩隆先生は間違いなくこの映画見てるだろうけど、人知を超えた存在に人間達が挑む、それも「物語の力」を使って、ていう或る意味この映画がやろうとして出来なかった事を小説でやってる。
異星人が残した超文明(其れは神や『火の鳥』みたいな物)に人間は『鉄腕アトム』『プリキュア』『スーパー戦隊』等などの「物語の力」で挑む、って作品です。

それから少年時代の尾美としのりさん、やっぱり名優と呼ばれる方は子供の時から名だたるスター、名優達に全く引けを取らない芝居してて子供の頃から名優だったのだと思いました。
それから他の方も言ってますが若い頃の由美かおるさんは広瀬すずに似てる。
典型的な「ヒロイン顔」何だろうか。
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