カタパルトスープレックス

SLC(ソルト・レイク・シティ) PUNK!!!のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

2.3
すっごく面白そうな題材をすっごくつまらなく仕上げてしまった残念な作品。メディアが再販されないのも仕方がない🙄

舞台は1985年のアメリカはユタ州ソルトレイクシティ。モルモン教の総本山。その影響でビールのアルコール度数が4%未満に規制されている州です。パンクどころかロックンロールも似合わない場所です。そして1985年といえばパンクもすっかり下火になって冷え切った頃。ニューウェーブの時代。LAメタルの時代です。そんなパンク不遇の時代にパンク不毛の地でパンクをやる若者たちの話です。ね?面白そうでしょ?

日本だと『SR サイタマノラッパー』とか面白かったじゃないですか。埼玉でラッパーを目指す話。舞台設定としてはかなり近いんですよ。埼玉がソルトレイクシティになって、ラップがパンクになっただけ。面白そうでしょ?

ところが、全然おもしろくない!!!なんか、全てが中途半端なんですよ。そりゃ、ユタ州だし1985年だし、中途半端な時代ですよ。それをそのまま中途半端に描くことないじゃない😳 スティーボ、ボブ、マークのパンクキッズたちも単なる中二病の集まりにしか見えないんですよね。まあ、かわいらしくはある。でも、おもしろくない。

ちなみに、1985年は日本のパンクシーンはラフィンノーズとかウィラードとか、あぶらだこの時代ですね。アメリカだとマイナー・スレットとかデッド・ケネディーズとか。その音楽は使われるんだけど、もっと話の中にも食い込んで欲しかったなあ。結構、頑張っていた人たちはいるんですよ、パンク不遇の時代にも。それをソルトレイクシティというさらに不毛な地でやってんだぜ!みたいな。そんな感じの映画だったらよかったのに。