P1島

ハワイ・マレー沖海戦のP1島のレビュー・感想・評価

ハワイ・マレー沖海戦(1942年製作の映画)
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今年のゴジラ誕生記念日にはこの一本。

円谷英二の特撮がGHQに本物の記録映像と勘違いされたという逸話で有名なプロパガンダフィルム。

帝国海軍主導で製作しているのだから当然資料は充分に提供されるものかと思いきや実際は空母などの撮影は許可されず、アメリカの雑誌や新聞に掲載された敵国の空母の写真を参考にしたのだとか。ほかにも、400分の1スケール真珠湾のオープンセットを設計するために、建物の高さをわずかな資料写真に写った波の高さとの比較から割り出したらしい。
こういった話を聞くと、首相官邸のfacebookに掲載された写真の背景から撮影不許可の総理執務室の間取りやイス、カーペットのメーカーといった情報を収集し、機密情報である10式戦車の内部のセットを組むためにアメリカのM1エイブラムスの内部を参考にした『シン・ゴジラ』制作班のことを想起せざるを得ない。今も昔も、特撮の根本って変わってないんだなと感じる。着ぐるみやスーツばかりが特撮じゃないですよね。

有名な寒天を使った白波の表現はもちろん、基地を走るジープなど細部まで徹底した特撮魂。



ところで、真珠湾攻撃の撮影で一番苦労したのはセットに張った水にトンボやスズメが寄ってきてスケール感をぶち壊してしまうことだった…のだとか。
『ラドンVSメガギラス 二大怪獣真珠湾決戦』的な映像を収めたフィルムが今もどこかに眠ってたりするのだろうか。しないだろうな、たぶん。
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