はんそく負け

噂の女のはんそく負けのレビュー・感想・評価

噂の女(1954年製作の映画)
3.8
長回しの印象が強い溝口だがこの映画にはハッとするようなカッティング・オン・アクションがいくつかある。久我美子が病の太夫を入院させたいと田中絹代に訴える場面の、イマジナリーライン越えと併せたカッティング・オン・アクションは、空気のピリつく瞬間を明確に捉えてある。このショットは本当に凄まじい。人物のフレームの出入りにもたびたびギョッとするようなものがあり、とても油断のできない映画で大変おもしろかった。