ジョニーは戦場へ行った
恋人から、行くなと言われても
自ら志願して行った
まだ２０歳だった
平和と民主主義のため
若者は戦争へ行くべしと
大人たちは唱える
両手を無くした
両足を無くした
目も、鼻も、口も、耳も…
全て失った
でも生きていた
上官は言う
「脳も破損している
だから、感情も無い、夢も見ない
今後の医療の為、生かしておこう」
全てを知らないジョニーは
静寂な暗闇の中
彼女の、家族の、父の…夢を見る
幸せだった日々
そして少しづつ、現実を知る
ジョニーは訴えた
自分を外に出してくれ
戦争が創り出したものを
祭りの見世物にしてくれ
とても残酷な戦争映画
人間の尊厳さえ
無能な上官達に簡単に潰される
ジョニーは恋人に再会する事もなく
静寂と暗闇と絶望の中、
どれだけ生かされたのだろうか…
