目、鼻、耳、口、舌、顎、手、足を大事にしたい。
これらの器官が衰えつつも未だ健やかに備わっている事で、辛い事もあるけれどそれ以上に生きる喜びでもある。感謝したい。
どんな事があっても、”命がある”事は幸せな事なのか?
反戦映画ではあるが、戦争が怖いという事より、生と死の価値観、現代にもある安楽死制度問題、自殺幇助問題、介護問題、延命治療ともリンクがある内容だった。
112分の作品なのに、体感5〜6時間あった気がしてそれが地獄だった。テンポ感等が合わない感じだった為、途中で鑑賞をやめたかったがどんな終わり方をするのかが気になり、最後まで鑑賞した。
主人公自身の心情ナレーションで展開する感じが『孤独のグルメ』感がある。いや、ないか。
グロいシーンや戦闘シーンはない。
白黒とカラーの対比で、「過去•現在」「空想•現実」「幸福•絶望」を表現した大負傷入院兵の精神ドラマ。とにかく時の進みが遅く鑑賞が辛い。
コロ…シテ…コロ…シテ…
どの派手なドンパチ戦争アクション映画より個人的には鑑賞がしんどすぎた。そういう意味で究極な反戦映画かもしれない。
ド派手な戦争アクション映画は、哀情な歴史が基盤である事は承知な上で、銃アクション映画としてエンタメ的側面を持ち合わせて観れていたように思う。
本作ラストのカメラが印象的だった。
嗚呼、これでやっと映画終わったかと安堵した自分が居た。この人は終われないのにね。
戦争体験者ではないけど、
人生において「死にたいな」って思う事は何度かある。
死に損なって、死ぬより辛い身体の状況になって生きていく事になったら嫌だなと思ってきた。
自分の状況で考えるとまさにその感覚だったし、看護師の気持ちも恋人の気持ちも共感性がある。
それと、好きな漫画である
『ジョジョの奇妙な冒険』の第二部のカーズの末路を思い出した。
胸糞系映画は興味があるし、考える映画でもあるが、本作は好きか聞かれると我慢して鑑賞していて、観終わった後も何だかなという気持ち。