リック

ジョニーは戦場へ行ったのリックのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
3.8
あまりにも強烈な設定の本作。
第一次世界大戦を舞台として、「物理的に」全く周囲と意思疎通が取れなくなった青年を描く。

反戦映画と称される本作ではあるが、大っぴらに反戦を謳う内容では無いように感じた。ただこの辺りは人によって「反戦映画」の定義はまちまちであると思うし、センシティブな話題でもあるのでこれ以上の言及は避ける。
演出面で印象深いのはモノクロとカラーの使い分け。実際に起きている現実はモノクロ、主人公の観る夢・妄想の中はカラーと、使い分けが上手い。
前半は主人公の過去を描くが、待ち受ける未来を想像すると非常に心が痛む。一筋の光が見えた矢先に、それを粉々に打ち砕くあまりにも無慈悲なラストが印象深い。

人としての尊厳とは何か?を改めて考えさせられる作品。
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