RIO

日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里のRIOのレビュー・感想・評価

5.0
あぁぁー美しい 
この作品は何度観てもいい

黒澤明と小国英雄「どん底」のコンビ
で脚本を手掛けている

明治38年 日露戦争のさなかに奉天会戦
旅順要塞の陥落後優勢に立っている日本
弾薬と兵力が底を突いていて次の次はない

露軍が決戦地として第一戦とする地点は
鉄嶺か奉天か見分けることが最☆最優先

原作の山中峯太郎は生き残りの斥候隊員の証言
を取り対露認識の深さがリアル

「青空娘」高橋通夫の撮影がもの凄いカッコ良さ
構図がすごい‼
敵中深く斥候隊を送りこむ
第2軍騎兵第9連隊の建川中尉と5人の兵士が出発
広がる雪原を6騎の馬が疾走する
外套のフードを被った兵士が横切ってゆく
幻想の世界 タルコフスキー✨

斜めからのアングル
斥候が画面に入ってきて抜けていくまでの計算
泣けるぐらい素晴らしい映像が連続する

当てにならない地図と磁石と時計だけ
鉄嶺までの道は三百里

日本兵であることを見破られずに偵察を続け
敵中を只々走り抜ける6人は全てを奪われる
自らの意志で任務を遂行する姿に
悲壮感はなく感動的です

コサック騎兵隊の追跡にあう沼田
雪原の中を声が哀しく木霊する
ここは胸にしんしんと響く
愛馬を亡くした豊吉のもとへ
馬が現われるシーンはじーんとくる

たまに出てくる大山巌の薩摩弁
最後の「児玉さん、総攻撃でごわす」

ロシア語なのでS・エイゼンシュテイン
の「アレクサンドル・ネフスキー」を
思い出す映像の美しさもあった 
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