似太郎

ニクソンの似太郎のレビュー・感想・評価

ニクソン(1995年製作の映画)
4.5
私としてはオリヴァー・ストーンの映画は『プラトーン』じゃなく『JF K』路線の方が遥かにフィットする。画面が狂気染みてて、編集ワークがまるでエイゼンシュテイン並みに凄い。

主演アンソニー・ホプキンスのわざとらしい「ニクソン芝居」がよく批判されるけど、そこまで酷くない。『J・エドガー』に於けるディカプリオ演じるフーバー長官にも近い。

国家や権力悪といった構造を分析して描く辺りは些かオーソン・ウェルズ、或いはスコセッシ的。

『アイリッシュマン』や『ホッファ』といった骨太の社会派作品と類似点が多い。そういった社会構造に言及していくアプローチ自体は嫌いじゃない。尺の長さもそれほど気にならない。

ストーン映画は『ナチュラル・ボーン・キラーズ』以降、どんどんスタイリッシュになり画面が若々しくなってる印象がある。気合の入ったディスカッション・ドラマとしては一級の作品に感じる。異様に評価低いけど。(~_~;)
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