Jeffrey

閉店時間のJeffreyのレビュー・感想・評価

閉店時間(1962年製作の映画)
3.5
「閉店時間」

冒頭、三人の女性のマネキン。開店時間、お客様が入場。いらっしゃいませ、男探し、クレーム、マニキュア、万引き、ピクニック、海水浴、仲良し三人組の女性。今、女の問題が映し出される本作は読売新聞連載有吉佐和子の原作を白坂依志夫が脚色し、井上梅次が監督した一九六二年の若尾文子主演のドラマで、この度DVDにて初鑑賞したが面白い。物語的には全ての女性が持つ問題が閉店時間から始まるような設定で、恋愛、結婚、別離そういった三つのポイントを強調し同じデパートで働く仲良し三人組の女性を中心に共通の問題を描く青春文芸大作である。主演の若尾文子を始め、野添ひとみ、江波杏子が働く女性を生き生きと演じている。

さて、物語は仲良し三人組の紀美子と節子とさゆりは同じ高校から東京のデパートへ入社した。職場は違うが、休憩時間を利用してはお互いの悩みを話し合うのだった。真面目だが勝気な紀美子は、女性は男性と対等でなければならないと信じている。家庭的な節子は生活の充実をぼう然と求めて働いている。さゆりは恋愛を自由に楽しむ主義で、閉店時間になると派手な化粧をして夜の街へと飛び出す。そんな三者三様の恋愛が進んでいく。

六十年代の日本の繁華街やネオン街の雰囲気がノスタルジーで、主演の女優三人が美しい。夜の繁華街に行って、男探しをするシークエンスでモーションをかけようとする女優の仕草が可愛らしくて非常に面白い。勘違いされて輩の兄ちゃんに絡まれて逃げる場面とかも滑稽だ。また、万引きする夫人を叱るのではなく、うまく誘導するチームプレイの場面も結構好きだ。それとお客のクレームに断固として謝らない女性の強さも最高だ。

お店の上司にめちゃくちゃいじめられて泣かされる様々な女性が写し出される。普通に面白かった。
Jeffrey

Jeffrey