【I’m glad you came】
※Bunkamuraル・シネマ ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映 35ミリで蘇るワーナー・フィルムコレクション 。
マックスの冒険譚。
かいじゅうの世界に迷い込んで初めのほうで、KWがマックスに、”I’m glad you came”って言うんだけれども、僕たちの社会も、全ての子どもたちに対して、生まれてくれてありがとうみたいに言えるような世界であれば良いなと思う。
子供なんてそんな簡単じゃない。
いろんなことが分からないだけなのに、親も社会も結構頭ごなしだったりする。
でも、よく考えたら、キャロルもKWもマックスと同じような悩みを抱えているじゃないか。
オリジナルタイトルは「Where the Wild Things Are」なので、実は、”かいじゅう”というのとは少し違うイメージなんだと思うけれども、登場するかいじゅうは妙にかわいいし、ハグしたくなる感じだし。
子供には、ほんの短い間かもしれないが、「キング」或いは「プリンス」或いは「クイーン」或いは「プリンセス」みたいに扱われる時期がある。
でも、その時期はあっという間に過ぎ去り、自分で出来ることはやるようにとか、わがままを言っちゃダメだとか、皆んなと上手く遊ぶようにとか、社会のルールを理解して守るようにとか、
友達や、兄弟姉妹や、仲間と上手くやれなかったり、独善的だったりして、皆から避けられたりもする。
親や大人の恋愛に嫌悪感をぶつけて壊そうとして、白い目で見られたり。
子供の頃には往々にしてありがちなことだと思う。
小さなコミュニティでもいろいろある。
真のリーダーになるんだって難しい。
いろんなことを受け入れて初めて分かることもある。
戦争ごっこなんかやったって、感情が暴走するだけで、皆のストレスは溜まる一方だ。
ここに描かれたことは、子供に向けたメッセージであると同時に、僕たち大人の社会の今現在抱える問題やジレンマだ。
“I’m glad you came”と言うために、僕たちは何を出来るだろうか。