MSTshozi

かいじゅうたちのいるところのMSTshoziのレビュー・感想・評価

4.0
単なる少年の成長物語、ではないのだろう。
人間などうしようもなく湧いてくる、そこにある、憤りや、不安、不満、妬み、愚かさ、無関心、そんなものが具現化されてそこにある。それを受け入れるような話。
少年は無力までにそれを虚偽で取り繕いなんとかしようとするが、やはりそれは無力であってどうもできない。それでも、どうしようもできない、そんなことがあることを知った。その中でも輝く太陽を見つけた。だから彼は帰ったのだろう。
なんともできなくてもそこに太陽はないか?それがなくても、なんとかなるかもよ?具体的に完璧な答えは示せないけど。
そんな投げっぱなしのようで、実は寄り添ってくれるような映画。
何より音楽が良い。とにかく良い。
映像ともマッチしている。
そして、怪獣たちの造形が何より良い。こんなにも可愛く不気味に、それでいて人間くさい。それだけでこの作品の本質を示せている気がする。
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