海外の3DCGアニメはミニオンたちを産んだイルミネーション派なんだけど、このドリームワークス制作の『メガマインド』も素晴らしい。
ドリームワークスのCGアニメはピクサー系ともまた違う人外はキモく人間はどギツい顔のキャラデザなんだけど観てるとどんどん愛おしく思える挙動とそれに命を吹き込む声優(ほとんど俳優か)たちの素晴らしい演技によって最終的にはお気に入りのデザインになっているから不思議。
メインキャラはウィル・フェレル、ブラッド・ピット、ティナ・フェイ、ジョナ・ヒルなど有名どころが声を当てておりみんなとても巧い。
ウィルやジョナは映画好きならすぐわかるくらいそのまま演じているがキャラにフィットしていて驚き！
また感情豊かなヒロインを演じたティナがとにかく巧く、非常に魅力的なキャラクターを作り上げている。海外の俳優による吹き替えはアニメ的な演技をするとは限らないが巧い人が多いな。。
脇役にもベン・スティラーやジャスティン・セロー、J・K・シモンズなんかが出てやたら豪華（笑）
シナリオも悪役主人公メガマインドがうっかり宿敵のヒーローを倒して世界の頂点に立ってしまい、最初は喜ぶも対抗してくるヒーローが居ない世界に虚しさを感じ、わざわざ自分でヒーローを生み出すというちょっと変化球的な内容でおもしろい。
…とはいえやや特殊だがひねくれすぎた内容というわけでもなく普遍的な教訓めいた題材も盛り込み笑えて感動して考えさせられるというよく練られたストーリー展開に収まっているので家族でも楽しめる作品に仕上がっているのも見事！下ネタもないよ！
日本ではビデオスルーすらされず配信限定、海外でもディスク盤は絶版と内容に対して非常に不遇な扱いを受けているがとても良い作品なので興味のある方はぜひ観てほしい。
ハンス•ジマーとローン•バルフェのタッグによるスコアや数々の挿入歌も最高でGUNS N' ROSESやAC/DC、Ozzy OsbourneにMichael Jacksonなどの名曲が絶妙なタイミングで流れてロック、ポップ好きもニッコリ。あのWelcome To The Jungleの使い方はずるいよ（笑）
余談だが本作はコメディ俳優による配役を活かした軽妙な台詞回しによる小ネタも多いのでそれを拾っていくのも楽しい。
個人的には一瞬映るどう見ても『ベスト・キッド』のミヤギなおじさんがツボだったw
