夏の麦茶、ポテトチップスの残りカス
縁側の漫画、図書室のクーラー
夏休みが始まる前の一夏の奇跡
夏の暑さを鬱々しいと感じるようになってから
僕は何となく、一つづつ大人になっていた
あの頃、明日も会えるのが当たり前だった
友達とは「またな」でお別れし、
大人へ対しての図々しさは幼き限定で
小麦色のコッペパンみたいな肌を諸共せず
すぐに走り出したくなる衝動も
浅はかで未熟な計画も
僕らの人生は新幹線のように一瞬で過ぎ去る
今も電車の特急くらいで人生は進んでいくし
各駅停車に乗り継いでしまう事もある訳で
と思っていたら大人っていうカテゴライズに
気が付いたら振り分けられていて、
そう思えば確かに僕らはもう大人だった
当たり前なんてのは存在しないって思うし
絶対なんて言い張れない
沢山の出会いや別れ、居場所や孤独を経験して
僕らはきっと夏の麦茶から夏のビールになっている
ただ、奇跡はあるのかと聞かれたら
闇雲にあるとは言い切れないけれど
奇跡のように努力が実る事もあると教えてあげたい
奇跡が全て明るい方向に向いているのは
なりたい自分と、なって欲しい未来とが
子供達の可能性として広がっているから
だからこれは多分、可能性の成長で
子供達が明日を生きる大事な成長で
いつかそれを懐かしむ夏の奇跡になれるといいな