ボブおじさん

Shall we ダンス?のボブおじさんのレビュー・感想・評価

Shall we ダンス?(1996年製作の映画)
4.3
「Shall we ダンス?」何と心地よい響きだろう。語呂が良くて口ずさみやすい😊

ヨーロッパでは教養のひとつとも言われる社交ダンスは、何となく日本人には似合わないなどと言えば真剣にやっている人に怒られそうだが、頷く人も少なくないだろう😅

この映画も、そんな日本人の先入観を上手いこと逆手にとっている。経験者じゃなくても不慣れなステップで相手の足を踏んでしまうことに共感するのでは?

平凡なサラリーマン(役所広司)が、電車の窓から見上げたダンス教室にいた美女(草刈民代)に惹かれて社交ダンスのとりこになるハートフルコメディ。決して日本人と相性がいいとは思えない〝社交ダンス〟という食材を選んだ周防正行監督の目の付け所に感心する。

竹中直人や渡辺えり子が笑いを誘い、全体的にコメディチックな演出なのだが、決して社交ダンスを茶化すことなく真剣に取り組んでいることに好感が持てる。

日に日に、生き生きとしてくる夫に対して、妻(原日出子)が疑いを持つ展開も面白い😊

〝浮気じゃない、本気だった。さっきまでは〟や〝踊ったこともない奴が、失礼なこと言うもんじゃない〟など心に響く台詞もある。

終盤は月明かりの下、アットホームなハッピーエンディングで幕をおろすのかと思いきや、そこから更にもう一展開。次のカットで観客の期待に応える最高の舞台を設定して決め台詞の〝Shall we ダンス?〟

何度見ても面白い。ハリウッドでリメイクされるのも納得、エンドロールまで含めて見事な娯楽映画の傑作だ😊



〈余談ですが〉
社交ダンスは日本人と相性が悪いなどと失礼なことを言ってしまったが、実は仕事での必要性から1年間だけ社交ダンスを習ったことがある😅

お陰で今でもステップは踏める。最近は、踊ることはないが、以前カラオケで踊れる曲がかかると女性を誘って華麗な?ステップを披露して驚かれたこともある。

もっとも妻は〝私にも教えて〟とは言わなかったけど😅