み

倫敦(ロンドン)から来た男のみのレビュー・感想・評価

4.8
白黒→顔に差し込む光の強弱。最後ブラウンの妻の顔に影がなかった気がする。白黒にするのことで白黒によってぼやかされた細部が観ている側に委ねられる。

カンカンという音→マロワンの家で等間隔なっていた木同士を叩いたような音は職場のレバーの音とも娘の職場で肉を切る音とも違うが音の間隔の違いが緊張感の変化を表しているのかも。

車や通行人が登場せず登場人物が港町に皆閉じ込められているように感じられる故にブラウンや刑事などロンドンから来た異邦人であることが強調される。

緻密に撮られているような感じがして映像がかっこよかった。なので長回しが多かったが常にどこか緊迫していて飽きなかった。マロワンは逮捕されることを見越して娘に毛皮のマフラー買ったのかも。刑事役の人の顔の圧すごい。長回しの長さが登場人物の考える時間なのか観ている側に与えられた時間なのか。キレ方ロシア。ドストエフスキーっぽいらしい。
み