ユキ

ラースと、その彼女のユキのレビュー・感想・評価

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
3.5
人との関わりに不安を抱える主人公がある日ラブドールを彼女として連れてくる話。
それでも、愛してる っていう別の映画を思い出した。あのビーバーみたいなもんか。

戸惑いから、周囲は彼の正気を疑ってしまう。でもそこで終わらないのがこの映画。
彼の心の傷の痛み分けをするでもなく、ただ彼と同じ方向を向いていこうとするのが素敵。主人公ラースとその属するコミュニティとの間に隔たりを生むことで住む人たちが生活をおくるんじゃなくて、ラースという凸凹ごと引っくるめる関わり方。
どんな社会もそういうあり方が望ましいのだと思うけど、実際そうはいかないね。

ボウリングのシーン。
隣のレーンまで突き抜けるホームラン級のガーターを放ったラースに対して、ヒロインの子が
「スピンをかけすぎよ」
って言ってあげるんだけど、その一言で、あぁこの子は思いやりがあって、どんな状況からでも前向きな考え方ができるんだなと察して感動した。好きな人にやさしくしたくなった。
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