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ラースと、その彼女のくのネタバレレビュー・内容・結末

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

以前鑑賞したものなので少し曖昧な部分がありますが
先に言えばめちゃくちゃ批判してますのでこの映画が好きな人は読まないでください















これ、良い話だと私は思えませんでした。

ラースは自分の都合で人形を恋人にし、自分の都合でその恋人を死に追いやりました。
人形を恋人にするに至った彼のつらい背景や心情は理解しています。周囲の人たちから愛される素晴らしい人間なんだということも分かります。しかし彼女との関係の終わらせ方に関しては、彼はクソ男ではないでしょうか。

ラースは彼女にプロポーズをするが断られます。その後彼女は病気に倒れ、最後まで「一人の人間として」ラースのそばにいて、ついに死を迎えます。人形は断ったり病気になったりしないので、ラース自身がそういうことにしたのです。
これ、別れの原因をすべて彼女に押し付けていませんか。

普通にいいなと思える女性ができたことで、人形の存在が邪魔になって彼女を殺した。私にはそうとしか思えませんでした。(彼女(人形)の立場になって考えると泣けますね!)
気になる生身の女性ができることは、ラースの中の大きな変化であり、良いことだと思います。しかし、だからといって人形との恋愛の終わりを悲恋にして、彼が悲劇の主人公となるのはいかがなものかと思います。
あくまで人形はラースの恋人であり、一人の人間なのだというスタンスを貫きたかったのでしょうか。彼女との関係を断つならばきちんとけじめをつける、他の終わらせ方があったように思えます。

主人公の周りの人たちは良い人ばかりです。良い人すぎます。私にはラースのワガママに付き合ってあげるただのお人好しに見えてしまいました。特にあのラストのおかげで、最後まで彼に振り回されただけの人たちとなっています。
ラブドールが子どもたちの前で読み聞かせをするとか、人形のために救急車が出動するとか、異常です。
良い人しか出てこないから、これ見てこんな考えしてる自分が一番最悪な存在になるのでこれまた気分が悪い。
私自身の心が汚いんですかね。穿った見方をしているのでしょうか。

ラースが人形含め周囲の人たちに甘えているだけのようで、見ていてイライラしました。


俳優の演技は良かったよ
く