"灰は灰に 塵は塵に
人は皆、地に還る"
全編、個人的に好みの異国情緒炸裂で何回観てものめり込む。
しかし、ラストの打って変わっての現代場面(搭乗機内)の演出や照明やカメラは、個人的に好みではない。展開として温度の違いは解るんだが、セットなのか違うのかは関係なくて。この最終場面へのオチみたいなのが本作メインではないのにあまりにも安っぽく成り質を下げてしまったと思う。
何回観ても最後でいきなり落胆してしまうのだが…
マァ其処をさて置いても、知らない世界の"御伽噺の妙"と舞台色に酔えた。
溢れて来る監督の才(センス)が胸に刺さり即、同監督の2作品を購入。
しかしながら同監督は2作品のみで監督業から一旦は離れたらしく。
惜しい…惜しいじゃないか⁉︎
それだけ"才能を出し切った"のだろうと思い至る。
(後に新作発表を知るが未鑑賞)
*
"灰は灰に 塵は塵に
人は皆、地に還る"
乾いた地に流れてゆく、見事な寓話の"紅い色"…
映画の魔法だ。
コレを読むアナタは、長く暮らしたその地を立ち去らねばならない経験をした事が?
そして、"何故かしら何処かから呼ばれるか"に激しく沸る領域に、自ら飛び込んだ経験があるかい?
…ならば観られたし。
そんな人生の頁を背負うアナタの胸には、きっと本作が古風な銃で風穴を開けてくれよう。
ワタシが撃たれた風穴からは未だに
ミルチョ・マンチェフスキーという聴き慣れないが一発で覚えてしまう監督名を思う時、この珍しい御話の中で見慣れない山岳地帯の銃撃戦と共に、或る艶かしい色香を感じたりする。