カネッキーC

コレクターのカネッキーCのレビュー・感想・評価

コレクター(1965年製作の映画)
4.6
非常に完成度が高くて驚いた。
作品としては非の打ち所がない。

登場人物に感情移入できるか、という感情的な部分を度外視すると、この作品のドライなストーリー性、出演者による臨場感溢れる演技には、難点を見出すことが難しい。まるで蝶の採集・標本のような均衡の取れたバランスの良さを感じられ、一才の感情移入や同情を許さない印象を受けた。

蝶の収集が趣味で、人とのコミュニケーションが苦手の主人公であるフレディは、地下にミランダという美女を監禁する、という物語だが、彼の1つ1つのセリフ、仕草、表情等から、彼自身の詳しい過去が語られていないのに、まるで過去のシーンを長時間見続けたくらいいに、彼の過去の経験がイメージできる。

描くべき範囲をグッとタイトにし、現在地点の彼の一挙一投足から、あらゆる考察を巡らせることができ、非常に深みのある映画だった。
カネッキーC

カネッキーC