たく

おかあさんのたくのレビュー・感想・評価

おかあさん(1952年製作の映画)
3.7
戦後の貧しい日本で一家を支える母の強さを娘の日記目線を通して描く。
冒頭で流れるテーマ音楽の最初の5つの音が「おかあさん」って聞こえるんだよね。

母の妹が夢の実現のために息子の世話を母に押し付けてる状況の中、病弱な息子と働き手の夫を次々亡くし、さらに次女を養子に出さざるをえなくなる理不尽な展開を慎ましく耐える役を田中絹代が演じ切ってた。
夫を亡くした後にお店を手伝いに来てくれる加東大介が母と結婚するんじゃないかって長女がやきもきするんだけど、最後にはこんなに自分を犠牲にしてる母の人生ってなんだろなーって考えていくのがちょっと怖いね。

香川京子がまあ可愛いいこと。
女の強さ、したたかさという成瀬巳喜男の味わいが本作にも出てた。
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