おかあさんの作品情報・感想・評価

「おかあさん」に投稿された感想・評価

戦後すぐ、福原家は父の工場の守衛、母の露店、娘年子の屋台売りの甲斐あり、クリーニング屋の再建に成功するが…。母親の金銭工面の大変さ、大黒柱だった父の死、手伝いに来ているおじさんと母のあらぬ噂。そして可愛い妹久子の口減らし。街で起こる出来事が細かく淡々と描かれてゆく。香川京子さんの少女性に溢れている明るさが映像を盛り上げる。岡田英次とのデートシーンは楽しい!
tarouman

taroumanの感想・評価

3.0
池袋新文芸座 香川京子祭り。

香川さんの愛くるしい表情を愛でる映画。
舌を出したりウインクしたり、ニッコリするスマイルは天下一品。
花嫁姿にはハッとする美しさがあり、佇まいは既に大女優。
田中絹代さんも安定の上手さですが、凛としすぎて役不足の印象。
世間話のように家族の戦死場所を話すシーンに、リアルな銃後を感じた。
子供たちがとても可愛い。
女優人生70年企画 香川京子映画祭
@新文芸坐

成瀬巳喜男の中でも、個人的にはかなり上位に来る作品。
劇中、家族の中での大きな喪失が2回もあるのにも関わらず、暗くなりすぎず温かみのある印象に仕上げるのはさすが。
香川京子の一番可愛い時を収めた作品でもあり、花嫁姿は本当に眩しい。舌をペロッと出し、襖の陰に隠れて顔を出す仕草にノックアウトされる。その後のウィンクもずるい。

中盤に唐突にお茶目なフェイクで「終」の字幕が出て劇場が騒めくのも面白い。
久しぶりに古い邦画を観たのでカメラの動きのなさに慣れるまで少し時間がかかったが、そうだわそこじゃねぇんだわと持ち直してしっかり楽しみました笑

照れ隠しにぺろっと舌を出したり時にはウィンクまでしてくれる香川京子がとても目映かったが田中絹代のゆっくりゆっくり疲弊していく姿も良かった

嘆くでもなく喚くでもなく、さりとて楽観的でもなく悲しい出来事が続いていく、少しずつ虚無感をたたえながらエンディングまで向かっていく
でも全体のムードは暗くもなく明るくもない
感想を書いてて思ったが絶妙なバランスで進行していた映画でした

ちゃこちゃんがおかあさんの似顔絵を引き出しにしまう姿とかこまかーく染みました

突然の終に一瞬呆然としたが、あれは成瀬さんの茶目っ気なのか笑
今回の香川京子映画祭のチラシに「超必見!」って書いてあったんだけど、本当にファンは超必見のかわいい香川さんが見られる。できればFilmarksの感想は読まずに真っ白な状態で見て!

「女優人生70年企画 香川京子映画祭」
@新文芸坐
CTB

CTBの感想・評価

5.0
妹が泣いてるところをからかう伏線が泣けるなー。タヌキやイタチをどうするって話し、詳しく知りたい。
tk33220

tk33220の感想・評価

3.7
膨れる香川京子を岡田英次が追いかけ橋に辿り着く場面でのサイレント期にあったようなカメラとの絶妙な距離感、妹がおかあさんの似顔絵を取りに戻ってから家を出て行くシークエンスでラストに入ってくる軒先を捕らえたロングショットが素晴らしい。突然の終には唖然。

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃよかったな。

田中絹代の不意に見せる神妙な面持ち、すごい。

香川さん、とびきりキュートでした。

主婦の会話で旦那が戦争で焼け死んだことと、カンピョウが足りないことが同じテンションで話されていてなんかそれが良かった。

母親讃歌。母が幸せかは置いといて。
イシ

イシの感想・評価

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ヘイガール! カモン!! おかあさんずっと生きていてくださいってそれはむつかしい注文だよYeah!!
生きてる間になんとかウィンウィンになる人間関係にしていくしかないっしょ!! You can do it if you want it!!! シェケナベイベー!!!
「おかあさん、あたしの大好きなおかあさん、幸せですか? 私はそれが心配です。」(本作ラストの香川京子のナレーションより抜粋)

最近物議になった「あたしおかあさんだから」という歌。個人的には歌詞の内容を全否定するまではいかないけど、ちょっとお母さんの理想像をごり押ししてるような気がする。

少しでもこの映画のような視点が歌に入っていれば、誰もが納得するような歌になったのでは?……あくまで個人的な見解ですが。

成瀬巳喜男監督の児童映画「おかあさん」は、香川京子扮する十七、八の年頃の娘(島田髷なんか本当に綺麗!!)の目線で描かれる。

クリーニング屋を営む両親(父は三島雅夫、母は田中絹代)と仲むつまじく暮らしていたが、跡取りだった兄が肺の病で呆気なく死に、父も長年の疲れがたたり、病床に臥せってしまう。

父親の弟分でハバロフスク帰りの通称“捕虜のおじさん”(加東大介)が仕事を手伝ってくれるものの、田中扮する母は女手ひとつで、香川や末っ子の娘、そして親戚から預かっている坊やを養うことになる。

本作品の田中絹代は常に明るい笑顔を絶やさないようつとめるが、しかし、どこかその表情には疲れが出ている。

あんなに気丈に振る舞っているけど、本当にうちのお母さんは無理していないだろうか?

本当に幸せなんだろうか?

……と子供が親のことを気遣う前述のナレーションで本作は幕を閉じる。

成瀬監督、淡々としたタッチで等身大のある一家の情景を描いている。

オーバーな演出ではないからこそ、見終わった後、まるでボディブローのように徐々に体に効いてくるような映画だった。

だけど、所々、クスっと笑わせるような、くすぐりもあり、決して陰鬱な気持ちにもさせないのが良いなぁ。

「ヒロシマ・モナムール」や「砂の女」に出演したあの岡田英次が本作では意外にもコメディリリーフになってるのが面白い。

香川に恋するパン屋の倅を演じているが、彼の作る“ピカソパン”がとにかく強烈すぎる。

なお劇中、どっか見覚えのある風景が映し出されるが、あとで調べてみたらやっぱり地元の石神井公園でした!

地元民として、ちょっとうれしい。

■映画DATA==========================
監督:成瀬巳喜男
脚本:水木洋子
製作:永島一郎
音楽:斎藤一郎
撮影:鈴木博
公開:1952年6月12日
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