くろいひと

おかあさんのくろいひとのレビュー・感想・評価

おかあさん(1952年製作の映画)
3.2

戦後の復興期を貧しくも懸命に生きる一家のホームドラマ。

前半は年子役の香川京子のナレーションをはさみながら、やや駆け足でかたられる。
後半は花嫁衣裳のくだりなど印象的な場面もおおく引き込まれるが、「母は幸せのだろうか」という陳腐きわまりないナレーションでしめくくられるという不燃焼感。
むしろ、そのあまりにナイーヴな問いかけを向こうにまわしてなお揺るぎもしない田中絹代の存在感こそ、この作品の価値かもしれない。

「終」の渾身のギャグにはやられる。
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