Omizu

小間使の日記のOmizuのレビュー・感想・評価

小間使の日記(1963年製作の映画)
3.8
オクターヴ・ミルボーが1900年に発表した小説が原作で、1946年にジャン・ルノワール、2015年にブノワ・ジャコーと何度か映画化されている。

特典映像でついているドキュメンタリーがすごく役に立った。

原作は小間使いの日記という形で一人称で書かれているが、この映画ではそうしたくなかったという。小間使いを我々と同じ目線で、というより一人の人間として描きたかったという。

個人的に思ったことだけど、登場人物それぞれが七つの大罪を表しているのかなと思った。
大旦那=色欲
旦那=強欲
奥様=嫉妬
ジョゼフ=傲慢
料理人=貪食
召使=怠惰
男召使=憤怒
かなと。そこに小間使いという闖入者が入り込むことで罪が浮き彫りになっていくという話だと受け取った。

ブニュエルは好きな監督だけど、今回は変わったことはあまりやらずにストレートに中産階級の批判をしているなという印象。

自然と人工物が画面だけではなく音でもレイヤーが重ねられたりととても巧み。ブニュエルらしい皮肉かつ冷徹な作品にしっかりとなっていてよかった。
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