これだけ有名な怪談だと怖さは無いものの、今作では映像や出演者が良く、50年経った今観ても十分楽しめる作品となっている。
速記本で22個の章がある長い話の「お札はがし」前後をメインに映像化するのが定番だが、「朝になったと騙されて」とか「恋心から自分で開ける」と言うパターンではなく、原作どおり伴蔵夫婦の話を入れた脚本も上手い。
落語家が作った話のせいか監督のセンスか分からないが、なぜか所々コミカルな味わいがありこれがとても魅力的。
伴蔵夫婦はコメディ・リリーフ的な存在なので、だいたいドタバタしているが、ご近所全員で太鼓叩いて「何妙法連~」ってのもかなり笑えるシーン。
幽霊と取引とか普通に会話とか、ここら辺が日本的でコミカルな所だろう。だいたい幽霊と分かってもエッチしちゃう男心がもうギャグ。
一応ヒロインと言うポジションの赤座だが役柄お化けメイクなので美しさはいまいち。その分お峰役の小川真由美ががさつな悪女だが美しく魅力的で見所。
後半のおいしい所はほとんど小川が持っていった感じだ。
名バイプレイヤーの二人、西村”黄門様”晃と志村”ガラモン”喬の存在も大きい。
日本の怪談の魅力を味わえる作品。