『エル・ゾンビ』シリーズ第三弾。古びた帆船が舞台の異色作で、地味さゆえにか評判が良くないのだが、個人的には大当たりだった。
舞台となる帆船の湿度の高い陰鬱なムードがたまらない。グロいシーンは少ないながらも殺される犠牲者たちの描写が執拗で監督の悪意を感じる。最後も全く救いなし。
帆船の全景はミニチュア特撮で表現されているのだが、これがディアゴスティーニの模型みたいで安っぽいことこの上ない。ただ、予算がない中でも何とか帆船の全景を見せようとするスタッフの涙ぐましい努力が見てとれて、決して嫌いになれないのだ。