このレビューはネタバレを含みます
216本目。
お痛なところは白黒で直接的な描写はない。なんかもうしっちゃかめっちゃか。殺人が当たり前な作品だから倫理観が狂う。ぶっ飛んでるけどまぁその狂った感じ嫌いじゃなかった。
10代の少女・マロリーは実の父親に性的虐待を受けておりいつかこの家から逃げ出したいと願っていた。マロリーはそんな時家に肉を配達に来た青年・ミッキーと運命的な出会いをする。2人はまさに出会った瞬間に恋に落ちた。マロリーの父親の車を盗んでドライブに出かけた2人だがミッキーはすぐに逮捕されてしまう。しかしミッキーは刑務所を襲った嵐にまぎれて脱走に成功。すぐさまマロリーの家へ行きマロリーの両親をマロリーと共に殺す。自由になったマロリーはミッキーと橋の上で2人だけの結婚式を挙げる。ここから2人の狂気に満ちた惨殺行脚が始まった。強盗に入った家や店でそこに居合わせた人々を容赦なく撃ち殺しそして必ず一人は殺さずに生かしておくのが2人の特徴。生き残った一人に「これをやったのはミッキーとマロリーだ」と世間に知らしめるための証人として生かしておいた。そんな2人を凶悪犯罪者を特集する番組のリポーターを務める野心家のウエイン・ゲールが追い始める。ウェインの番組で2人が取り上げられると共に「犯罪者カップル・ミッキーとマロリー」は若者を中心に絶大な支持を集め始める。ミッキーとマロリーの殺人行脚をスキャグネッティという蛇のようにしつこい刑事が追っていた。スキャグネッティは犯罪を憎むというより個人的にマロリーに惚れこみ自分のモノにしたいという欲望を抱えていた。それどころか2人を追う最中に実際に売春婦を殺すという犯罪まで犯していたのだ。
そんな中ミッキーとマロリーはとあるインディアン居住地にたどり着く。老いたインディアンは犯罪者の2人を暖かく迎えてくれたがミッキーはクスリの影響で悪夢にうなされ目覚めた瞬間目の前にいた老インデイアンを反射的に撃ち殺してしまう。マロリーはそんなミッキーを責め居住地を出ようとするが周囲にいた毒ヘビに噛まれてしまった。ミッキーは必死にドラッグストアに駆け込み血清を探すがその間に弱ったマロリーは追って来たスキャグネッティに捕らわれてしまった。手にしたナイフでマロリーを傷つけて脅すスキャグネッティにミッキーもたまらず投降する。こうして40人以上を殺害した2人の殺人行脚は終わりを告げた。ミッキーとマロリーが収監された刑務所は囚人を暴力によって抑え込むサディスティックな所長・ドワイトが支配する凶悪犯ばかりを集めた刑務所。そこへウェイン・ゲールがミッキーの獄中インタビューをしたいとドワイト所長を訪ねてくる。最初は渋っていたドワイトだったがTV局の大物の娘と結婚したウェインが裏で手を回し更に「名前を売るチャンスですよ」とウェインにそそのかされインタビューを許可。こうして全米の視聴者の目が最も集中すると言われているアメフトの決勝戦が行われる「スーパー・サンデー」の日決勝戦の直後にミッキーのインタビューが刑務所から生中継されることになった。ドワイト所長をはじめ看守たちが見守る中ミッキーとウェイン・ゲールの一対一のインタビューが始まる。
その頃スキャグネッティ刑事も刑務所を訪れマロリーの独房に向かっていた。緊張感みなぎる中行われたミッキーのインタビューは刑務所の休憩室でも放送されていた。インタビューでミッキーが「俺は生まれながらの殺し屋さ」と語ったとたん休憩室で喝采がおきる。そしてそれは刑務所内に広がる暴動の始まりでもあった。ミッキーのインタビューに興奮した囚人が火をつけそれはあっという間に刑務所全体に広がり手が付けられない状態に。インタビュー室にも暴動は伝えられドワイトがそこを離れた後ミッキーが看守の隙を見て銃を奪いウェインらTVクルーを人質に脱走を図る。同じ頃マロリーは自分をモノにしようと乗り込んで来たスキャグネッティを撃退するが看守たちに追い詰められる。そこへミッキーが登場、看守たちを打ち倒しマロリーもスキャグネッティを殺害。2人は久しぶりに抱き合う。暴動を鎮圧するため機動隊が突入されるがミッキーたちはオーエン・トラスクと名乗る囚人に従い刑務所内の裏道を通って出口へ。しかし出口の目の前でドワイトたちに行く手を塞がれる。万事休すかと思ったがミッキーはショットガンの銃口を人質にとった看守とウェインに向けたままガムテープで固定、もし自分が撃たれれば即座に人質も殺せるように仕組む。そしてそれをウェインが持つ手持ちカメラでTVに生中継させる。全米の視聴者が見つめる中で人質の命を見殺しには出来ずドワイトはミッキーたちを解放する。
その後出口に殺到した殺気立った囚人たちの群れの中にドワイトは飲み込まれていった。警察の追跡も振り切ったミッキーとマロリーはここまで行動を共にしてきたウェインに銃を向ける。「証人を一人、生き残らせるんだろ？」と命乞いをするウェインにミッキーとマロリーは同時に答える。「残すさ。そのカメラをね」ウェインは覚悟を決めTVの中継が続く画面の中で殺される。そしてミッキーとマロリーはそのままどこかへと姿を消すのだった。
