初めてこの映画を観た時に
映画を観続ける生涯で
この映画こそ
出会えてよかったと思えた。
死ぬ前に最後に観たい映画。
脆弱な僕のボキャブラリーでは、この映画の素晴らしさを表現することは到底不可能。
だけど
なんとかレビューしてみます。
一年ぶりに観て、今回改めて素晴らしいと思ったのは画面のレイアウト。
ここでのレイアウトは構図ではなく
そのシーンを切り取って得られる情報全てに対して。音も。
ある会話のシーンでは
朝は朝でも太陽が昇る前、絶妙な時間帯に2人が会話をするシーンがあり、その時間帯にしか聞こえない鳥や虫の音色が人と人の会話の中で聞こえてきて、画面から自然な臨場感が伝わってくる。
暁の時間帯の澄み切った空気が。匂いが。画面を通して漂ってくる。
クライムアクションというジャンルの映画ではあるけれど、銃撃戦よりシビれるかっこよくて美しい筆舌し難いシーンがとても好き。
画面の色のため
きっと時間帯まで計算されてる。
BGMや自然の音色
役者の表情から何まで
170分全てがすごすぎ。
あっという間に過ぎる。
登場人物も多いけど一人一人が
とても美しく力強く芯を持っている。
その中で主人公は2人の男
ロバート・デ・ニーロと
アル・パチーノ
片や犯罪のプロ、片や捜査のプロ。
相容れぬ男が2人。
互いを尊敬し認め合いながらも美学を持って対峙する。
しかし、2代スター共演の見どころだけでなく、長編な物語は脇役の輝きに支えられている。
登場人物は、疲れてるやつ不満が溜まってるやつ腐ったやつ孤独なやつ
どちらかと言えばマイナスな状況な
そいつらが美しい。
クライムアクションでありながら
とても丁寧に登場人物の心理が描写されていて、ラブロマンスの側面もアクション以上に見応えのある仕上がり。
自分の中の究極の映画はこの一本である。