香楽

オリーブの林をぬけての香楽のレビュー・感想・評価

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)
3.6
キアロスタミ「コケール・トリロジー(ジグザグ道三部作)」の三作目。
まず、見る順番は大事(「友だちのうちはどこ?」→「そして人生はつづく」→「オリーブの林をぬけて」)

「友だちのうちはどこ?」が普通の映画だとしたら、「そして人生はつづく」は大地震後にその主演の少年の安否を確かめに(ファルハッド・ケラドマン演じる)キアロスタミ監督が探す、というドキュメンタリー形式のメタ視点の映画。
そして「オリーブの林をぬけて」は「そして人生はつづく」に登場した若いカップルの実際の恋模様に焦点を当て、それを映画として(モハマッド・アリ・ケシャワーツ演じる)キアロスタミ監督が撮っているという、メタ視点のさらにメタ視点という入れ子構造になっている。

どっちのキアロスタミ監督も本物でないというのがポイント。
実際の恋模様と書いたがこれも本当かどうかわからない。
現実と虚構の世界の境界が曖昧で、とても面白い。キアロスタミ監督の作品にだんだんハマってくる。
香楽

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