メイザ

チェンジリングのメイザのネタバレレビュー・内容・結末

チェンジリング(2008年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

えー。「アンジーの泣き顔」が「ニコラスケイジの不安そうな顔」と同じくらい大好物なもんで見てきました。

内容も映像表現も重厚そのもの!といった感じですけど、さまざまなことを考えさせられる深い映画で、ワタシの中でのイーストウッド作品としては出色かな。今までの作品・・・ミリオンダラーベイビーとかあんまり好きじゃなかったけど、これなら納得できる。4月公開の「グラントリノ」も面白そうなのでちょっと今後注目してみようと思いました。

客観的にみるとこの「誘拐事件」自体は、最初に警察のイメージアップの象徴として利用され、その後、公権力の暴走を止めようとする市民活動のシンボルとして利用されたと言うことなんでしょう。

しかし、彼女自身は警察のそれはもちろん、市民活動の顔としても貢献したつもりなど毛頭なく、徹頭徹尾、わが子の安否を気遣う母親に終始していたと言うのが事実。そこが「母親」という「狭い生き物」の素晴らしさであり、愚かさでもあるのだろう。というのが母としての私の結論。

ただ、やはり大きな視点・・・こういう公権力の暴走と市民による抑止、そしてルール自体の是正というトライアンドエラーを繰り返して成熟してきたという経緯を考えると、やはりアメリカって国は至極まっとうな国だよね。

その国の成り立ちの中で教会というコミュニティ、牧師という指導者の果たしてきた役割はとても大きい。マーティン・ルーサー・キングも牧師だったしね。日本でそれに代わるものはないよなぁ・・・。寺の住職じゃないし・・・(笑)

ちうことで、「(偽の)息子が見つかった」という最初の一報を聞いた時のアンジーの安堵の涙にはぐっときたものの、その後ものごっつぅ冷静に見てしまったので、アンジーの名演に感情移入してしみじみ涙することもなく、思いっきり左脳で唸らされてしまったメイザなのでした(笑)

あと、個人的には、牧師役のジョン・マルコビッチの英語がとてもノーブルでうっとりでございました♪

観る人によってさまざまな見解が出てくる・・・そういう懐の深さがある映画だと思いますのでぜひ。
2009年03月09日 22:48
メイザ

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