ShinMakita

蘇える金狼のShinMakitaのネタバレレビュー・内容・結末

蘇える金狼(1979年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

☆mixi過去レビュー転載計画



〈story〉
株式会社「東和油脂」の経理部に勤務するヒラサラリーマン、朝倉。大学の夜間部出で、出世コースから外れているこの大人しい男の中には狼が眠っていた。ある朝、共立銀行の現金運搬人が射殺され、1億円が強奪された。犯人は、朝倉。しかし紙幣番号が控えられていたことから、朝倉は現金を使用出来ず、麻薬密売で富を築いた市会議員・磯川と接触。磯川の放った殺し屋軍団を血祭りにあげた朝倉は、1億円と麻薬との取引を無事成功させる。

朝倉が大金を求める理由・・・それは、大企業「東和油脂」乗っ取りだった。重役たちの情報を収集するため、経理部長・小泉の愛人、京子を麻薬でモノにした朝倉は、「東和油脂」を強請る男・櫻井が清水社長以下重役たちの弱みを握っていることを知る。櫻井は5千万円を経理部の金子次長に要求、重役たちは殺し屋を雇って櫻井を始末する。しかし、今度は殺し屋たちが重役たちを脅迫し始めた。朝倉は社長らに取り入り、殺し屋たちを殺害、恩を売ることに。重役の椅子を約束された朝倉だが、彼は「東和油脂」の2百万株を要求するのだった。

こうして、大企業のトップに君臨することになった狼・朝倉。この男の末路は・・・


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1979年の8月に封切られた、優作さんの代表作。

昼は勤勉実直なサラリーマン。夜は野望のために凶悪犯罪に手を染める狼と化す朝倉哲也。銀行から一億円を強奪したことを皮切りに麻薬組織と渡り合い、さらには大企業の弱みを利用して巨万の富を掴んでいく…というストーリー。優作&村川監督の集大成作品ですね。遊戯シリーズでも思ったんですが、やはり優作&村川映画って、基本ラブストーリーなんですよ。女が足枷になって命を落とした千葉真一の末路を見ていた優作さんなのに、やはり女が原因で身を滅ぼしていく皮肉。エンディング直前の風吹ジュンとのシーンは感動的ですらあります。成田三樹夫や小池朝雄、岩城滉一のコミカル演技も楽しいし、アクションの見せ場も多いし、優作未経験者に一本勧めるとしたらコレですね。 優作さんのアクションスターとしての集大成的作品で、「演者」への方向転換を模索し始めた作品かも知れません。


後半登場するカウンタックのディーラー、名前が〈センゲン〉で演じてるのが村川監督。村川・仙元コンビはこういう楽屋オチが好きみたいで、あぶ刑事の一編でも歴代署長の写真が並ぶショットで2人仲良く映りこんでましたよね。
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